サステナビリティ

ステナビリティに関する考え方

 企業活動は「環境・社会・経済」に大きな影響を与えるため、企業活動においてその影響を考慮することは、事業の長期的な維持及び継続には欠かせないファクターであります。また、当社グループは、これら3つの要素の持続可能性に貢献することを、企業経営上の重要な課題のひとつとして認識しております。企業価値を継続的に向上させるためにも、「環境・社会・経済」それぞれの観点から、長期的に良好な企業活動を維持し続けることを「サステナビリティ経営」と捉え、この経営方針を推進する体制を構築し強化してまいりたいと考えています。

進体制

 サステナビリティ委員会は、代表取締役を委員長とし、気候変動や人的資本を始めとした重要課題(マテリアリティ)や基本方針を特定・定義の上、そのリスク管理状況等について、同委員会より取締役会に報告を行う体制となっております。

サステナビリティ推進体制

governance
取締役会:

 代表取締役は気候変動及び人的資本に関する当社方針に責任を持ち、これらに関するリスクと機会の評価と管理の責任を有します。気候変動、人的資本をはじめサステナビリティに係る当社の重要課題(マテリアリティ)に関するサステナビリティ委員会の対応等の報告を受け進捗状況を管理します。また、サステナビリティ委員会にリスク管理等に関する検討を指示します。

サステナビリティ委員会:

 当社の事業が継続するための課題を分析し、気候変動や人的資本を始めとしたグループ全体の重要課題(マテリアリティ)を特定し、リスク分析、必要に応じ戦略、指標及び目標に関する検討を行い、サステナビリティに関する方針を策定します。各課題について全社的な取り組みを推進し、対応策の実行については執行役員会と協議を行い各事業部門が方針に従って実行します。取り組み状況やリスク管理状況等については、同委員会より取締役会に報告を行う体制としています。

要課題と取り組み

 気候変動リスクと人的資本・多様性に関するリスクは、当社にとって重要なリスクの一つであるとの認識のもと、気候変動リスクについては当社が事業を推進する上で影響があり得る可能性のある事項について、公表されている関連報告書等も参考に評価を行うこととしています。
 また、人的資本・多様性については、当社は管理職や中核人財の登用に、男女差や国籍による区別は設けておらず、判断力・協調性・独創性等の人財としての総合力と様々な分野における専門性の2軸による評価を中心に判断することで、多様な価値観を持つ中核人財が活躍できる環境を整えております。さらに、2軸による人事評価制度に加え、高度専門性を別途評価する職群を定めた制度を採用すること等により、知識・経験の多様性の確保を図っております。人的資本・多様性に関するリスク管理に関しては、当社のこれらの体制のもと、人財の確保・育成を進めるためのリスクの評価を行っております。

人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

人財育成に関する考え方:

  当社は中期ビジョン2025に掲げる『総合エネルギー事業会社への変革』や『GXとDXの推進』を実現するため、従業員の個々のリスキリングを目的とした人財育成に取り組んでまいりましたが、新たに策定した中期ビジョン2028においては『働きがいの向上と人財の成長は「会社の成長」』という人事方針の下、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題にも記載のとおり、マネジメント人材の選抜・育成を通じた新たな経営体制の確立に取り組んでまいります。具体的には、会社全体の能力及び生産性の向上を目的とした階層別・分野別研修の充実、個々の専門性を適正に評価するための人事考課制度の見直し等を行い、個々の従業員が専門性を高めるためのインセンティブとすることを検討しております。

多様性確保に関する考え方:

 人財の多様性の確保については、これまで通り、性別・国籍・年齢等を問わず、能力・適性を判断した採用及び人事評価を行います。その結果として、当社における同一労働同一賃金を維持します。
 採用はキャリア採用を中心に行い、多様な価値観を相互に尊重できる社内風土を醸成し、積極的に協力し合える活力のある組織を目指します。多様な価値観を維持・尊重できる環境を整えることで、確保した人財の社外流出を防止するよう努めます。加えて、適材適所のキャリア採用により歪みの生じた人口ピラミッドの適正化のため、全体バランスを重視した採用を進めてまいります。

社内環境整備に関する考え方:
  • 従業員のエンゲージメントを高めるための施策を検討・導入するため、従業員満足度調査を行い、人事戦略の取り組みにおける成果の数値化を行います。
  • ハラスメント防止体制の確立やメンタルヘルス対策の拡充をはかり、従業員が安心して働ける環境を構築します。
  • 受動喫煙の防止のため、職場内の分煙だけでなく、会食の場での受動喫煙の防止も励行します。
  • 引き続き社内環境の整備・福利厚生の拡充を行い、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現を目指します。

気候変動によるリスクと機会

リスク:
想定シナリオ 当社グループのリスクの所在 財務上の影響 当社の取り組み
物理的リスク
  • 台風、豪雨、水害等の発生頻度の増加・激甚化
  • 盗難
  • 降水量及び洪水発生頻度の増加
  • 平均気温の上昇
当社グループ保有太陽光発電所、蓄電所 5サイト 発電等の停止による営業収益減
損害保険料の増加
  • ハザードマップ等の活用による事前調査、損害保険付与
  • 適切な価格転嫁及び業務委託からの切り離し
O&M契約受託済み他者保有再生可能エネルギー関連施設 15サイト メンテナンス業務中断等による営業収益減 監視システムの活用、契約件数の拡大と契約先地域の多様化
資金調達 - 気候変動への対策が不十分との認識により、ESG投資・グリーンファイナンス等の機会喪失 SDGs推進融資
移行リスク 脱炭素に向けた制度等の変更 炭素税の導入、法規制等の強化 新規発電所・蓄電所等の建設設備等の除却 原材料価格上昇による設備投資、施設建設費用の増加
リサイクル及び除却コストの増加
法体系等の制度変更に関する前広な調査・検討の実施

機会:
想定シナリオ 当社グループの機会 当社の取り組み
エネルギーミックスにおける再生可能エネルギー比率の増加
  • 洋上風力・屋根置き太陽光等の自然変動電源の増加
  • 再エネ価値の上昇
  • FIP制度による電力取引の増加
  • 需要調整電源の必要性の高まり
  • 地熱発電事業とCPPA事業の推進
  • 再エネ証書取引の活性化、流動性の増加、価格の上昇等による好取引環境
  • 需要予測・発電予測、インバランスマネジメントニーズ増加によるBPO事業機会の増大
  • 蓄電池事業の推進
  • 宮崎県にて地熱発電事業化への取り組み中
  • AIを活用した需要予測、発電予測
  • 蓄電池事業取組開始と強化
     北海道1件着工済み
     その他複数件検討中
カーボンニュートラルに向けた国民意識の高まり
  • ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及
    EV、蓄電池、省エネ家電等の利用の増加
  • 使用電力の見える化、節電コントロール
  • 低圧向けにクリーンエネルギー共有を含めた多様な電力プランの提供機会の増加
  • 個人向け効率的電力利用サービスの提供
  • 節電キャンペーンの実施
  • +G(ゼロカーボン電気)販売
  • エネルギーマネージメントツールの提供
カーボンニュートラルに向けた企業の行動強化と広がり
  • オフサイトCPPA事業の推進
  • 排出権取引機会の拡大
  • オンサイトPPAの取り組み実績あり、オフサイトは検討中
  • EV、充電器等の提供実績あり

人的資本・多様性に関するリスクと機会

リスク:
想定シナリオ 当社グループのリスクの所在 当社の取り組み
有事の際の意思決定の遅れによる機会損失 リーダー人財・マネジメント人財の不足 リーダー人財の育成、マネジメント人財の選抜・育成
採用コストの上昇 労働人口減少による人手不足 ダイバーシティ推進及びワークライフバランス充実による魅力向上及び採用コスト抑制
人材確保ができないことによる競争力低下 採用市場の低迷 ダイバーシティ推進により性別・年齢・国籍等にとらわれない採用市場の利用
リスキリングの停滞 人財教育への積極的投資による既存従業員のリスキリング
人財の流出 従業員満足度の低下 魅力のある福利厚生の採用など満足度向上施策の検討
エンゲージメントの低下 働き方+働きがい改革の推進
チームワークの低下 ダイバーシティの進展による一時的なコミュニケーションの低下 多様な価値観を相互に認める社内風土の醸成

機会:
想定シナリオ 当社グループの機会 当社の取り組み
多様な人財の確保・活躍 従業員満足度の向上による人財の社外流出の抑制と採用コストの抑制 従業員満足度調査の実施と施策の検討
ワークライフバランスの充実
エンゲージメントの向上による人財の社外流出の抑制と貢献度上昇 ハラスメント防止体制構築、メンタルヘルス対策、心理的安全性確保施策
優秀な人財の活躍による事業機会の創出 ダイバーシティ推進により性別・年齢・国籍等にとらわれない活躍の場の提供
専門性をより適正に評価することのできる人事評価制度
人財教育への積極的投資による既存従業員のリスキリング
優秀な人財の健康増進・モチベーション向上、生産性向上・定着率向上 健康経営優良法人の認定準備

ステナビリティデータ

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績 (連結ベース)
指標(※2) 中期ビジョン2028
期間中の目標
2025年3月期の状況 2024年3月期の状況(参考)
執行役員のマネジメント研修受講率 100%
従業員満足度 80%以上 81.1% 83.3%
離職率 10%以下 3.7% 10.9%
育児休業取得率(パパ育休含む) 100%
人財教育費の伸び率 10%増 40.9%増 16.6%増
基幹職以上の女性比率(※1) 30% 18.5% 14.3%
定期健診受診率 100%
役職員喫煙率 12%以下
  ※1 当社グループにおける基幹職は、管理監督者の役割を任せることができる程度の知見を有する従業員を指します。
  ※2 2025年3月期の状況に「-」が表示されている指標は、新たに追加した指標です。


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